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2006年06月16日
底力
決してイングランドが悪かったわけではなかった。6分のランパードのミドルシュートに始まったイングランドの攻勢はとどまるところを知らなかった。前半を終わってのボール支配率は62%対38%。この圧倒的な数字が試合内容を雄弁に語っていた。

ただ、ボール支配率が語る一方的な試合展開が、トリニダード・トバゴのゲームプランの失敗を示していたのかというと、そんな事ではない。
トバゴは、ドワイト・ヨークを中心とした中盤の守備網で徹底したマンマークをしかけ、それによってイングランドにはポゼッションまでは許すが、ゴール前20mのところからの攻撃の芽をつみ取り続けたのである。
イングランドのすごさは、そうした守備意識の高い相手に対し決定機を作り出したところにある。ただ、それにしても得点が決まらなかった。たとえば43分には、クラウチがゴール前でのフリーのシュートをミスする失態を犯し、典型的な負けパターンにはまりつつあった。
次々と繰り返したシュートミスに対しイングランドサポーターはフラストレーションを溜め、沈黙の時間を増やしていく。その一方で、トバゴサポーターは2試合連続引き分けによる勝ち点獲得によって、2位通過の可能性を大きくたぐり寄せようとしていた。そんな結末が現実のものになりつつあった83分に、ようやく試合が動く。大きなサイドチェンジを、途中出場のレノンがベッカムに落とす。ベッカムは、198cmのクラウチの長身を生かすべく高いボールを、GKが取れないファーサイドに上げた。
大失態を帳消しにする先制点がクラウチによってもたらされ、イングランドは息を吹き返した。ロスタイムによるジェラードの追加点は、あれだけ苦しんでいたとは思えないほどにあっけなく決まった。
なんだかんだ、点を取れば帳消しになる。サッカーは得点を競うスポーツである。
- by 江藤高志
- at 2006年06月16日 16:27
- in マッチレポート
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