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2006年06月28日
冷酷な現実

19歳のジュルーにはあまりにも荷が重すぎた。立ち上がりに連携ミスで混乱を招き、試合の入りに失敗。持ち前のスピードを生かし、ラインをブレイクして積極的なディフェンスを見せていたが、それにしても立ち上がりのミスによる精神的動揺は隠せなかった。
スイスのクーン監督は素早く手を打つ。前半33分にジュルーに代えて27歳のグリヒティングを投入。前半の早い段階で、選手個人の問題によって貴重な交代カードを1枚失う事になった。120分の長い戦いとなったこの試合において、このロスの意味は大きかった。
5枚が常に残る分厚い黄色い壁に対し、スイスはミドルレンジからのシュートで対抗しようとしたがどれも力なくショフコフスキーの両腕に収まっていく。ただ、一方のウクライナも絶対的エースが不発に終わっては、為す術はなかった。
結果的に見れば、あまりに守備的だったウクライナの戦いはPK戦を容認していたようにも思える。先攻のウクライナの一人目、シェフチェンコがツーバービューラーにセーブされてウクライナの野望は潰えかけたが、続くスイス人選手のナイーブさがウクライナに希望の光を与えた。明らかに萎縮して芯をとらえ切れない弱々しいシュート。ブロヒン監督の思惑通り、ショフコフスキーはスイス人選手のシュートを2本ストップ。クロスバーを叩いたバルネッタのシュートを含めると3連続でスイスのPKを阻止しウクライナに歓喜をもたらした。
21歳にしてスイスの精神的支柱となっていたセンデロスが韓国戦で負傷退場。PK戦という戦術や個人能力を超えた神経戦で敗れたスイスの敗因をたどれば、韓国との死闘にたどり着くのは明白だった。前半で交代を命じられたジュルーはベンチで顔を覆った。センデロスの負傷によってスイスが受けたダメージは、想像以上に大きかった。
- by 江藤高志
- at 2006年06月28日 11:18
- in マッチレポート
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