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2006年11月12日
上村健一、新たな戦いへ
12日に行われたYSCC(横浜スポーツ&カルチャークラブ)の20周年記念イベント。そこに上村健一の姿はあった。
かつて日本代表まで登りつめた男だったが、今季はけがもあり、東京Vでの出場はわずかに1試合。
そんな状況の中、32歳と決してサッカー選手として若いとは言えない彼が「来年もサッカーを続けるために」選んだ道は「プロとしてやってきた自分にとって、ある意味底辺」という関東1部リーグ・YSCCへの移籍だったのである。
まずはYSCCについて説明したい。
今年で設立20周年を迎えたクラブだが、その歴史はさらに深い。
ルーツは1964年に設立された横浜・中区スポーツ少年団。
その当時から今の基礎となる「地域に根ざしたクラブ」を掲げ、活動を開始した。
そして、74年に横浜サッカークラブへと改称。
その後、79年に全日空の資本参加があり、「横浜トライスターサッカークラブ」となり、84年には「全日空横浜サッカークラブ」へと名前を変えていき、活動の幅を広げていった。
だが、85年、全日空がそれまでの「支援」から「クラブ経営」と姿勢を変えると、それまでの地域密着型の市民クラブから一気に企業チームへと変貌してしまったのである。
そして、事件が起きる。
86年3月、企業の論理で運営を推し進めるチームの方針に反発の意を唱えるため選手6人が試合をボイコット。8人で試合を行うという日本サッカー史に残る大事件となった。
日本サッカー協会は、その行動をとった6人に対し永久追放を、クラブには3ヶ月の対外試合の禁止を命じたのであった。
そして、86年9月、企業チームとして発展していく全日空と袂を分けた選手たちが新たなクラブを設立。
Jリーグ発足の7年前、「企業の論理に振り回されない」地域密着型の市民クラブ・YSCCが生まれることとなったのである。
(写真)当時、6人の永久追放の撤廃を求めるための署名時に使われたボード
発足当時は1チームつくることさえ、苦労したというが、地道な活動を続け、今では会員が800人を超す組織へと成長。
02年にNPO法人化し、今年からはサッカー以外のスポーツでも活動するなど、真の「総合型スポーツクラブ」へと着実に歩みを進めている。
そして、今年はトップチームが関東1部リーグを制覇。今月末から行われる全国地域リーグ決勝へと駒を進めることとなった。
JFL参入へ、そして夢のJリーグ入りへ。その大きな一歩を築くためにクラブへ招聘されたのが、上村健一であったのだ。
上村健一
-チームに入って、今の心境は?
とにかく時間がない。ただ、自分に何が求められているかは分かっている。100%の力を出し切りたい。
-求められていることとは?
まずは経験。そしてすべてのプレーにおいて。あとはチームをまとめることですね。
-Jリーグから地域リーグへの移籍。抵抗はなかったですか?
サッカー選手というのはみんないろいろなチームでプレーをしなければならない。来年もプレーをするために今はここで結果を出さなければならない。だから、抵抗はないです。プロとしてやってきた自分にとって、ここはある意味底辺。だけど、ここを知るということは今後の人生を考えた時に大事だと思う。この経験をこれから役立てたい。
-チームの印象は?
みんな一生懸命。環境は練習場も土だし、厳しいですけどそれは当たり前のこと。今言えるのは、単純なことですけど、「頑張るだけ」です。
-来年はまたJリーグへ戻りたい気持ちは強いですか?
それはもちろんです。ただ、自分の評価というのは第三者が決めること。自分がいいと思っていても、他の人はダメだと思っていることもあるし、その逆もあり得る。だから、とにかく今やれることをしっかりとやるだけですね。今の目標はチームをJFLに参入させるということだけです。
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