Main Contents

2006年12月24日

コミュニティFMの挑戦(2) -なぜコミュニティFMなのか-

なぜ、コミュニティFMによるJリーグ中継にメリットがあるのか。それは、コミュニティFMの特性から知ることができる。

ラジオには、中波(AM)、FM、短波ラジオがあり、FMについては、NHK-FMを除くと、TOKYO FMのような県域FMと、今回取り上げる地域FM(コミュニティFM)がある。12月頭の時点ですでに200局を超えており、将来的には500局を超えることが見込まれている。コミュニティFMの特徴は、開局するためのコストが県域FMより少ない一方で、出力の問題により可聴範囲(受信できる地域)が狭いことである。例えばかわさきFMは、川崎市の中でも等々力競技場近辺では聴くことができるが、川崎市南部や北部では一部で聴くことが難しい。それでも、コミュニティFMが存在するのは、地域に根ざした情報流通と、災害時の貴重なメディアとなるからである。この地域性は、地域密着を目指すJリーグの中継にとっては大きなメリットになる。現在Jリーグを優先的に中継できるニッポン放送は、関東地方を対象として放送を行っている。ということは、ニッポン放送が浦和レッズの中継をすると、同じ時間に行われる川崎フロンターレの試合は中継されなくなる。県域FMであるヨコハマFMでも、県に4つのJリーグクラブを持つために、全てのクラブのニーズに応えることはできない。ただし、それぞれのクラブのホームタウンでの中継が実現できれば、これらのニーズの大部分は満たすことができる。コミュニティFMによって、ラジオの電波の帯域が限られている中で、地域割りの多チャンネル化が実現されていると言ってよく、多チャンネル化によって、中継のチャンスが増えることになる。

これまでは、ニッポン放送とその系列が独占放送権を持っており、さらにニッポン放送は、プロ野球シーズンの夜の時間帯は野球中継が優先されるため、放送されないゲームが少なからずあった。これまで、2000年から2005年シーズンまでの6年間で、コミュニティFMを含めてラジオ中継は30%程度。仙台、札幌はホームゲームをほぼ100%放送していて、ニッポン放送系列の静岡放送もコンスタントに放送している。一方、京都、大阪、神戸、広島では放送がないという状況だ。これには、時間的な枠がないだけでなく、週に1,2回しか行われないサッカーの試合は営業的に売りにくいという事情もある。

コミュニティFMによるJリーグ中継は、この空いている部分をきれいに埋めることができる。Jリーグファンにとっては、スタジアムに行けない試合でもラジオ中継で応援することができるようになる。コミュニティFMにとっては、コンテンツ不足という問題がありJリーグ中継はぜひやりたいという状況である。そして、Jリーグクラブは、中継による露出を増やしたいと、3者の利害が一致する状況である。また、「ラジオはテレビに比べ情報量が少なく、ラジオ中継を聴いた人は本物を見たくなる特性があり、長期的には集客にも良い影響がある」というラジオ関係者もおり、ちょっとした取り組みであるが、波及効果は大きい。

放送権というと、クラブやリーグの運営を支える貴重な収入源という考え方が一般的だが、Jリーグ、クラブともに、ラジオは儲けるためのメディアではないという認識になっている。これは、リーグの拡大への先行投資という意味では英断だと言ってよい。コミュニティFMによるJリーグ中継が軌道に乗れば、実質的にサッカーの露出が多くなり、マーケット拡大に大きく寄与するだろう。

TrackBacks

トラックバックURL:

Comments

Post a comment

(フットボール定食 では不適切なコメントを防止するため、コメントを掲載する前に管理者がコメントの内容を確認しています。コメントを初めて投稿する場合すぐに掲載されませんが、管理者が適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

コメントフォーム

Copyright © 2006-2008 Football-Teishoku.All rights reserved.