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2007年12月03日
大木監督、男泣き、にもらい泣き
何気なく見ていたJ1最終節。再放送の甲府対FC東京。
試合後に最終戦のセレモニーが行われていた。
いままで何人かの退任する監督のシーズン最後の挨拶を見てきたが
これほどまでに見る人の涙を誘う挨拶はなかった。
大木監督の挨拶の冒頭はJ2降格に対するお詫びの言葉。
個人的な意見を言わせてもらえば
戦える戦力が用意されていたのかどうか、という部分も含め
結果はフロントと現場、そして強いて言うならサポーターとの総合力で出るものであって
監督一人が全ての責任を負うものではないと思っている。
だから、あれだけの観衆の前で、あんな形で謝罪する必要ないと思うのだが
まあ実直な大木監督の事である。それはするものなのである。
謝罪すべきかどうかの是非とか、議論とかのレベルではないのである。
それはそれとして、そこからの木訥とした挨拶は素晴らしかった。
涙無しでは見られなかった。
○大木監督
「思えば6年前。J2の最下位だった監督に就任し
当時広報をやっておりました鷹野と東京のプレスカンファレンスの帰りに食事をしました。
そのとき、彼が言った言葉を鮮明に覚えています。
『必ずJ1に上がる』と。
こういう状況のチームでもそういう気持ちで仕事をしているんだなと、本当に感心させられました。
2005年。本当にJ1に行くことができました。思い続けて仕事をするということの大切さ。
教えられたような気がします。
いつ解任させられてもおかしくなかったような状況で、最後までそして天皇杯まで
指揮を取らせてくださる会社のみなさん。本当にありがとうございます。
それから………。
(長い沈黙と会場の声援。そして大きなため息。ようやく声を絞り出して、あふれ出そうな涙をこらえて挨拶を続けて)
苦しい時も、非常に楽しかった時も…、いつも側にいてくれた、コーチングスタッフ。
安間、米田、坂本、藤原先生、瀬戸先生、原先生、安松、矢上、加藤、メディカルスタッフ。
時にはコーチ以上に選手のフォローをしてくれたジュリオ通訳。
マネージャーの鶴田、萩原……。
彼らと仕事ができて、本当に充実した時間を過ごせました。
それから選手のみなさん、今日から友達です(笑)。
(と照れ笑いで後ろに控える選手を振り返る)
もうちょっとありますか(笑)。
本当に苦しい時に頑張ってくれたと思います。
それから(選手たちは)私にサッカーの楽しさを教えてくれました。
本当にありがとう。
それからサポーターのみなさん。スポンサーのみなさん。
いつもいつもグラウンドに足を運んでくれて、スタジアムに足を運んでくれて
応援してくださって、本当にありがとうございます。
感謝の一言に尽きます。
(場内拍手)
みなさんがいなかったら今のヴァンフォーレはなかったと思います。
本当に私は幸せな時間を過ごすことができました。
リーグ戦は終わりましたが、これで全てパワーを使ったということはありません。
あいにくまだまだ力は残っています。
最後、天皇杯。できる限りがんばります。
(ジワジワと広がる場内の拍手)
できるだけ長くヴァンフォーレの一員として、仕事ができる事を心から願っています。
(鳴りやまない拍手)
本当にありがとうございました。
リーグ戦は終わりますけど、天皇杯がまだあります。
もう少し力をください。
(ここで一気に泣き顔に。そして涙声で、訴えるように)
もう少し、応援してください。
どうもありがとうございました」
プロの世界もそうだし、大人の世界はもっとそうだけど、みんな責任から逃れようとする。
うまく責任を回避して、うまく生きようとする人ばかりである。
そんな中、ぼくはこれだけ実直な人を見たことがない。
本当に大木さんって甲府の事が好きなんだろうと思う。
みんな、がんばっている事を知っている。
その、がんばっている選手が全力を尽くしてがんばる。
天皇杯でがんばる。
その選手たちに、もう少しだけ、力を貸してほしい。
J2に降格したチームを応援するのは、気分が乗らないかもしれない。
だけど、選手のために、力を貸してほしい。
そんな気持ちが最後の一言に込められていた。
大木さんは挨拶の中程で
「(選手たちは)私にサッカーの楽しさを教えてくれました。本当にありがとう」
と感謝の気持ちを述べていた。
振り返ると、ゴールが決まった時、大木さんはいつも人事のように喜んでいた。
「おー、スゲー今のゴール」ってな具合で喜んでいた。
それが「サッカーの楽しさ」なんだろうと思う。それを教えてくれた選手たちが、戦う。
だから「もう少し、応援してください」と声を振り絞ったのだろうと思う。
タダでさえ泣きそうだったのに。
笑いを取ったところで落ち着けそうだったのに
最後の一言でこっちも涙腺が崩壊。
すごいよ、大木さん。すごすぎる。
そこまで選手の事を思いやれる敗軍の将も珍しい。
人が良すぎるんだろうと思う。
でも、だからあれだけのチームが作れるんだろうと思う。
負けはしたけどこのFC東京戦も、一方的だった。決定機の数では圧倒できていた。
常々監督の仕事というのは、シュートを打つ形を作るところまでだと思っている。
選手の個人能力が多少低くても、組織である程度相手は崩せる。
ただ、最後のゴールの部分というのは、選手の個人能力が大きく作用する。
去年まではバレーがいた。そのバレーの穴を、甲府は最後までうめきれなかった。
だからといって責任の全ては大木さんにあるとは思わなかった。
実際、今年の戦いを見てみても、組織だけを見れば降格するようなチームではなかった。
だから、ここで全ての責任を取る形で、大木さんの契約を終わらせるのはどうなんだろうとも思ってしまう。
この感動的な挨拶を見せられたらなおさらである。
ただ、降格の責任は誰かが負わなければならない。
会社論的にはそういう事なのだろう。それはそれとして、筋は通っている。
会社論的には、だけど。
大木さんの組織サッカーを継承できる人が本当に見つかるのか。
見つけられているのか。少々、不安なところではある。もちろん期待したいところもある。
だけど、大木さん以外の監督の色に染まる甲府を見るのは、それはそれで寂しいものがある。
そうやって、チームは進化していく。歴史を積み重ねていく。
堆積していく記憶の中で、大木監督が作ってきたサッカーは、歴史になるのだろうと思う。
そんなチームの歴史の中で、この大木さんの挨拶は
ものすごく大きな意味を持つものになるんじゃないかとも思う。
少しでも長く天皇杯で見続けたいと思った。見続けられればと思う。
選手たちも、一気に気持ちがまとまったんじゃないかと思う。
男泣きは、時に大きな武器になるんだなと、そう思った。
だれかに力を与えられる事は、やっぱりすごくて、難しくて
たぶん一握りの人しかできない事なんだろうと思った。
- by 江藤高志
- at 2007年12月03日 01:44
- in コラム
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どっかの代表監督みたいに 日本人はフィジカルが弱いからだとか などと言って 失笑を買ったのとはえらい違いですな 敗戦の弁を垂れるにしても 垂れザマと...
- on 2007年12月04日 11:12
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動画見れなくなってるー!
見たい・・・
誰かーーーー!!!
今期、影ながら甲府も応援します。