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2008年01月17日

高校選手権座談会 4/11

■高校生だとしても、もう若くない

寺下 ただ、長いボールを蹴れないというのは今後の日本サッカーの問題だと思います。

下田 長いボールを蹴れないことの活かし方かなと思っていて、それって甲府の、大木監督の考え方じゃないかなと。(比較論で甲府の選手たちは)うまくはないわけですよね。大きなサッカーをやろうとすれば、技術が少し足りない分ブレが出てしまう。だったらみんなの距離を近づけて、短いパスを使いながら前に行けばいいんじゃない
かと。点が取れないならみんなで前に行けばいいじゃないの、という発想だったと。
 だからぼくは甲府の影響を香川西とかに見ました。両者のサッカーの質は全く違うよ。だけど甲府もそうでしょ、無理してもつなぐ。サイドバックの杉山新が後ろ向きで追い込まれても蹴らない。それと同じような事が香川西に見られた。
 個人の能力を見た時に、香川西にもドリブル上手そうだな、という選手はいたけど、これで上のカテゴリに行ったらきついだろうというレベル。だけどあの子たち(香川西)は選手同士の距離を上手く保ちながら後ろからでもしっかりつないでいた。そのかわり、つなぐためには、技術、判断、サポートの角度の正確さで補えるんじゃないかという発想だったんじゃないかなと。、実際どういう狙いでああいうサッカーをしていたか確かじゃないけど。そういう部分で補いながら、ガマンしてつなぐというチームが多くなっていたかなと。津工業もそうでしょ。

寺下 そうですね。

下田 そういうチームが出てきているのはオシムの影響と、あとは甲府とかの影響もあるのかなと思う。でもそこは良くも悪くも日本サッカーの、我々が受け止めなければならない進むべき道の一つなのではないかと思って見ていました。

寺下 あとは仕掛けられる選手がどうやって仕掛けるのか。1対1の場面でどうやって仕掛けるのか。

下田 それができる選手が居るチームが上に来ると言うことだったのかなと。全部のチームに居るわけではなかったので。

江藤 流経は本当に1対1がすごかったですね。

下田 11人みんな上手かったですね。

江藤 攻撃もそうなんですが、DFの1対1もね、しっかりしてましたね。数的優位を作らなくても1対1で足を出して奪える力を持っていた。本当にレベルが高かった。

寺下 CBの秋山くんに聞いたんですが、1対1で勝てば絶対に勝てると思っていたと。

下田 それは大事だね。戦術に日本って目が向きがちだけど、結局は1対1あってこその戦術だから。

江藤 岡田さんが98年に個で勝てないから、組織でやるという話をしていて、要するに個人能力の不足分を戦術でカバーするという方針があったんだけど、あの大会の終わった後のテクニカルレポートでは、個を組織とどう融合させるのか。組織を突破するのは結局は個の力だ、という方向性を掲げた。
 ただ、まだ組織でどう数的優位を作るべきなのかに主眼が置かれすぎていて、1対1のところがおろそかになっている部分も多いのかなと。そういう意味で流経柏は1対1をちゃんとやれていたという意味で素晴らしかったと思いましたね。

寺下 そこのさじ加減をどうするのか。

江藤 本田先生がね、準決勝の後だったかな。朝練が個人練習で、午後練習が組織、という話をしていて選手には反発があったとも話されていたけど、それを上手いこと両方やってあのチームを作った。ある意味エグかった。大人すぎてね、子供らしさがなかった。もちろんそれは必要なことなのかもしれないけど。

下田 いやでもね、アレが高校選手権のスタンダードにならなければダメだよ。何でかというと、若くないんですよ、高校サッカーの子供たちってのは、実は。今海外のサッカーを見ていると、あの年代の子がレギュラーだったりするわけですよ。リーグ戦とかでも。で、チャンピオンズリーグとかを見てもウォルコット18歳、ベントナー19歳、セスク20歳(3選手ともアーセナル)。彼らは、全然、アデバヨールとかロシツキーとかと同じピッチで普通にセッ
ションができてしまう。そういう事ができる年齢だってことです。だから今日出ていた子たちとか、昨日のインカレの2年生の子たちが、普通に主力で出ているのが世界のスタンダードになってきている。アトレティコ・マドリーのアグエロは19歳で全然レギュラーだからね。僕は大前を見てアグエロに似たタイプだなと思ったんだけど、大前がエスパルスに行ってアグエロくらい本当はやれるようじゃないとダメなくらい、世界も進んでるんじゃないかなぁ。だからそういう意味では、大学、高校が学校体育でやっているからこれが全部じゃなくてクラブユースもあるから何とも言えないけど、高校年代は日本はもっとやるべき事や方向付けの仕方がもっとあるんじゃないかな、と思いつつ、それが何なのかはぼくにはないですが。だけど、なんかあるんじゃないかなと漫然とした不安を感じながら見てました。

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○関連リンク
高校選手権座談会・前書き(というか、目次)
http://www.football-teishoku.jp/2008/01/post_177.html

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