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2008年01月25日
「言語技術」が日本のサッカーを変える
「言語技術」が日本のサッカーを変える
光文社新書
田嶋 幸三 (著)
・「あうんの呼吸」の国だからこそ必要なもの
筋道を立てた会話や、相手を納得させるための技術の事を、筆者は言語技術と称している。では言語技術とは何かというと、論理であるとさらにかみ砕くのである。語感的に難解そうにも聞こえるが、そうではない。ごく単純化すれば、円滑にコミュニケーションを行うための方法(技術)の事である。
先日インタビューさせてもらったが、その中で筆者は出版の理由について、世界での経験を上げていた。筆者が世界との差を体感する中で、日本に足りないもの。そして世界と対等に戦う上で必要不可欠なものとして言語技術、つまり論理的な思考が必要だという事がわかってきたのだという。
本書ではなぜ論理が必要なのか。そして、それはどうすれば子供たちが身につけられるのかをわかりやすく解説し、指導者や保護者に対して意識変革を促している。
論理とは、本来簡単なものであると筆者は主張するが、その簡単な思考回路は、意識しておかなければ身に付かないものでもある。ただ、意識しさえすれば、柔軟な子供の頭には簡単に浸透するとも指摘する。
論理は世の中の道理を理解する重要なツールとなりうる。そういう意味で、サッカー界のみならず、広く教育に関わる人たち。つまりそれは狭義には保護者、指導者、教育者であり、広く視野を確保すれば、日本語を使って社会を構成する国民全体にまで認識してもらいたい思考法であると言えるだろう。
ちなみに、言語技術の講義は、現在JFAアカデミー福島のエリートプログラムにて導入されているが、欧米では学校教育に組み込まれ常識的に教育されるものだという。筆者は文科省を訪れ、言語技術の講義の学校教育、つまり国語教科への導入を諮ったとのことだがカリキュラムの作成や教員の育成も含めて「20年はかかる」との言葉で難色を示されたとのこと。
だからこそアカデミー福島での成果に期待が集まる。ピッチ上で高度な訓練を受け続けているアカデミーの子供たちだが、ピッチ外でも行われている高度な教育がサッカー選手として今後どのように実を結ぶのか、注目したいところだ。
タイトルから受ける難しそうな語感に対して、書いてある内容は平易で読みやすいものになっている。本来は日本サッカーのために書かれたものではあるが、他の競技団体の関係者や、一般の方にも読んでもらいたい一冊である。
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