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2008年04月01日

【野洲通信】野洲らしさ① ―F・マリノスカップ 予選リーグ―

「同じ高校生なんやから」
山本佳司監督が選手たちに向ける言葉は、いつも変わらない。
相手が全国の強豪も、Jリーグのユースチームも、同じ18歳。同じ高校生。

「勇気を持って仕掛けられるか」
この大会でのテーマは一つ。


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【野洲通信】では、野洲高校サッカー部にご協力いただき、チームの1年を伝えていきたいと思います。監督とスタッフ、そして選手たちが見せる表情を追いながら、彼らの目線で、新たな高校サッカーの魅力、面白さに迫っていきます。
第三回目は、全国の強豪チームと対戦したF・マリノスカップ4日間の遠征の模様をお伝えします。

横浜のきらびやかな町並みを目に、選手たちの声が弾む。
「都会やねー」
「ここで試合をするん?」
“YASU”と描かれたマイクロバスの中で、疲れた様子を見せつつも興奮が入り混じる。

3月26日。午前中に野洲高で試合を1本行ってきた選手たちは、山本監督が運転するバスに乗って6時間。
横浜F・マリノスが主催する『2008 第1回F・マリノスカップU-17大会』に参戦するために、神奈川県横浜市に入った。

3月27~30日まで行われた『第1回F・マリノスカップU-17大会』は、新チームの立ち上げの春季総決算としてレベルの高い試合を実施することで、次世代の選手発掘と地域の垣根を超えた親睦と交流の中で、日本ユース年代選手の健全な発達とサッカー界の発展に貢献することを主旨とした大会。

参加チームは、横浜FMユース、藤枝東、東福岡、柏ユース、星稜、青森山田、日大藤沢、野洲。この8チームが2つのブロックに分かれ予選ブロックを戦い、順位決定戦に進む方式になっている。

野洲が予選で戦うのは、藤枝東、東福岡、横浜FMユース。
それぞれの結果は
藤枝東:2-1(潮入、坂本)。
東福岡:5-2(坂本②、冨田、福原、卯田)。
横浜FMユース:4-1(福原②、潮入、坂本)。
3勝で1位通過。

手ごたえは感じたはずだ。ある程度の手ごたえは。

例えば“戦う気持ち”。
相手がどのようなチームであろうと、彼らは真正面からぶつかれるようになっていた。「立ち上がりはまだまだ不満」と山本監督は口にするように、15分まで、もしくは先制をするまでの時間帯は、なんとなく相手の出方を伺ってしまうような消極性が見られるものの、時間の経過とともに、ゴールに向かう姿勢はたくましくなっていた。80分を通してみれば、自分たちのサッカーを見せるという彼らの意地は、随所に見られるようになった。ベンチからゲキが飛べば飛ぶほどに、選手たちは目の前の相手に挑んでいく。

彼らの気持ちが最も現れるのが“ドリブル”。1人、2人ではなく3人を抜くこだわり。それが今の野洲が見せる一つのスタイル。「センターバックもドリで仕掛けるよ」。山本監督が話していた言葉を思い出す。

試合を見ていると分かる。彼らが何を見ているのか。
選手たちの瞳にはいつもゴールとボールと自分がドリブルで突き進むその道筋が見えている。だから迷いが消えていく。相手のユニホームが藤色であっても、真っ赤でも、トリコロールであっても、やるべきことは同じだということを、全身で示そうとしている。

その迷いが出た時は、激しくゲキが飛ぶ。「悩むな! 遅い!」。

トップスピードでサイドを駆け上がるかと思えば、中に切り返し、なおもまた進もうとする。サポートの選手が近くにいてもあえてパスを出さずに進む勇気。転んでつっかかって、倒されても奪われても、すぐに立ち上がってまた仕掛けている。気づけば選手たちのユニホームはいつも泥だらけで、常に上着がパンツから出てしまっている。それでも上着の裾を入れながら、彼らはすぐにまた走り出す。

特に第3戦。
「ドリブルで来ると分かっている相手に対して、どうやって仕掛けるか。止められた時が勝負」と試合前に山本監督が話していた問いに、彼らの出した答えはやはり“ドリブルで挑むこと”だった。

「(相手の)ポイントが入った後やで」と藤野友貴(3年)がソックスの下を見せてくれた。赤くえぐられ、紫色に変色しようとしている細い足首は、彼らがこだわりを見せ続けた証し。それは藤野だけではなく、潮入啓太(3年)や福原拓巳(3年)、みんなそうだ。

「ミスをしてもいい、失点を怖がらずに仕掛けること」(山本監督)
その気持ちの上で、全員が同じ方向を向いて進み始めた時、野洲はまた一つ階段をあがる。

野洲らしさとは、単にそのドリブルや優れた技術に特化したプレースタイルではなく、今持っているこだわりを胸に秘めて、挑み続けるその心意気。

ピッチ上で見せる11人の戦い方こそ、野洲らしさそのもの。
その扉が少しだけ開いた。

【野洲通信】は野洲高校サッカー部公認・協力の下、取材、記事作成をしています。

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