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2008年05月22日
【野洲通信】3週間
1勝4敗。勝点3、得点10、失点19。
プリンスリーグ関西(1部)・第5節終了時点で第6位。
それが、野洲が残した数字だった。

【野洲通信】では、野洲高校サッカー部にご協力いただき、チームの1年を伝えていきたいと思います。
監督とスタッフ、そして選手たちが見せる表情を追いながら、彼らの目線で、新たな高校サッカーの魅力、面白さに迫っていきます。
第7回目は、プリンスリーグ第5節終了からインターハイ予選までの3週間。更なる挑戦をしている野洲の“今”をお伝えします。
野洲にとって大事な3週間が経過しようとしている。
5月3日、中断前のプリンスリーグ第5節G大阪ユース戦。1-6。野洲は完敗だった。
「ガンバはすごかったよ。特に“早さ”で全くかなわなかった。そういう意味では恥かしい試合だったと思う」
プリンスリーグが中断期間に入った5月11日。山本佳司監督は、ガンバ戦のことを振り返り、静かにそう口にした。
山本監督の話す“早さ”とは、単にスピードだけではなく、判断、攻守の切りかえ、サポート。さまざまな要素がそこに含まれる。そしてそれは野洲のこだわりとして、山本監督が選手たちにもっとも求めるものでもある。
得点差より、関西で、全国でユース年代のトップを走るガンバとの差を痛感した試合。“勝負どころ”で、かなわないと思うほどの高い壁にぶつかり、見えたのは、それを超えていくしかないという想い。
「ガンバとは、ベストな状態でもう一度、戦いたい。半年後には、どういう結果がでるのかは分からないから」
それから1週間。野洲は充電と次へのステップアップを始めていた。そして、11日。約1週間前にガンバと戦ったいつもの野洲グラウンドに迎えたのは、やはり全国で、東海地区でトップレベルにある名古屋U-18。プリンスリーグ東海では4勝1分けで3位につけている(第5節終了時点)。
「朴(才絃)監督は本当にいい指導者だと思うし、名古屋も組織的ですごくいいチーム。今、練習試合をできるのは力を試せるチャンスやね」(山本監督)
2月に対戦している両チーム。そのときに朴監督が話していたことを思い出す。
「野洲と(試合を)やるのは、選手たちも楽しみにしているから」
互いに力を認め合うからこそ、この対戦にかける思いは強くなる。
前日までの学校トレーニングでは、どこか精彩を欠いていた選手たちの顔つきが変わっていた。ユースチームに負けたくないという意地とプライドを見せた試合。
トップチームに数名よばれていた名古屋はベストメンバーではなかったが、ドリブルへの対応、スペースのケア、選手を自由にさせないように気を配りながら、じわじわと野洲陣内に入ってくる。球際も強く当たりの激しさに、簡単に抜かせてはもらえない。
それでも、野洲は攻める姿勢を貫いた。そして、彼らが見せたのは“ステップアップ”。この3週間でのもうひとつ上のレベルへと上がっていこうというチームの想いが見える形だった。
1-0とリードした前半28分。中央で潮入啓太(3年)がDFをひきつけながらドリブル突破し、右サイドに大きく開いていた藤野友貴(3年)に強めのパスを入れる。藤野はフェイントを入れてつめてきたDFを交わすと、迷わずにクロスを入れた。優しい曲線のその先に待っていたのは、坂本一輝(3年)。スローモーションのように滞空時間の長いヘディングシュートがゴールに吸い込まれた。誰もが迷いのない美しい流れの得点に、めずらしく笑顔が見える。
その後、後半に1点を返されるが、同37分にはこぼれ球を林晃佑(3年)が豪快なミドルシュートを決めて3-1。ベンチからも「すげー!」と声の上がったこの得点。技術やシュートの精度も素晴らしかったが、状況を的確に判断し、打てると感じた瞬間に足をふり抜いた、迷いのないゴールだった。
判断の早さは迷いのなさ。
2つのゴールに共通していたのは、まさにそれだった。
プリンスリーグでの敗戦で落としたものは、自分たちで拾うしかない。
野洲が失いかけた自信を取り戻すには、真っ向勝負で挑み、自分たちのスタイルを貫けたときにだけ、きっと手にできる。だからこそ山本監督は言い続ける。
「積極的なサッカーをすること、前向きにチャレンジする気持ちを忘れるな!」
そしてもう一つ。彼らがこの試合で見せたもの。
野洲にはドリブルがある。けれどドリブルだけじゃない。
それが、彼らの新たな強みになる。
次の公式戦(インターハイ県予選:トーナメント2回戦)は、25日。
プリンスリーグが中断期間に入り、野洲に与えられた時間は3週間。
「この3週間はパワーアップさせるとき。野洲のウィークポイントを信じてやらないとダメ」と山本監督。
ウィークポイントをどこにおいて、インターハイ県予選を戦うのか。
それは試合でしか分からない。
70分間、存分に野洲サッカーを魅せるために。
今日もきっと、陽の暮れたグラウンドで彼らの挑戦は続いている。
【野洲通信】は野洲高校サッカー部公認・協力の下、取材、記事作成をしています。
こぼれ話と写真はこちらに掲載中です↓
http://ao1230.cocolog-nifty.com/blog/
- by 青柳舞子
- at 2008年05月22日 00:53
- in 野洲通信
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