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2008年09月20日

【野洲通信】10番

背番号10に集まる視線も、期待も大きい。
その番号を背負うことが決まってから、覚悟は決めていた。
「最初はプレッシャーにやったけど、今は大丈夫」

昨年から野洲の10を背負っている坂本一輝(3年)は、春先にそう口にしていた。


自分のやるべきことがはっきりと見えた高校最後の年。
「毎試合、点を取る」
坂本の迷いも消えていた。

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【野洲通信】では、野洲高校サッカー部にご協力いただき、チームの1年を伝えていきたいと思います。
監督とスタッフ、そして選手たちが見せる表情を追いながら、彼らの目線で、新たな高校サッカーの魅力、面白さに迫っていきます。第13回目は高円宮杯全日本ユースグループ 第3戦、対市立船橋高校(千葉)の模様をお伝えします。

高円宮杯全日本ユース グループリーグ@西が丘サッカー場 晴れのちくもり
野洲高校 5‐1 市立船橋高校
得点:坂本4、潮入
※得点者は野洲のみです

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「今日は坂本の復調が大きい」
山本佳司監督の第一声は、試合に勝ったことでも試合内容についてでもなく、ヴェルディ戦でチャンスに決められずに苦しんでいたエースストライカーについてだった。

「調子はまあまあ」
そう口にしながらも夏休みの後半くらいからか、坂本の調子がよくないのは一目瞭然だった。
暑さや疲労、ケガなどもあるだろうが、体がうまく反応していない。
夏休みに何度か試合を見ていてそんな風に感じたことがたびたびあった。

その状態のまま突入した高円宮杯。

初戦でも普段なら落ち着いて決めているであろうチャンスにも、ワクをとらえきれなかったり、タイミングが合わない場面が見られた。
「点を取りたい」
試合後、坂本の口からこぼれてくるのは、その言葉だけだった。

続く第2戦。シュート12本を放ち、得点は1。
そのゴールも、試合終了間際だった。
「焦りしかなかった。決められてホッとした」(坂本)
そこに笑顔はなく、うつむきながらロッカーに戻ってきていた。

「外しすぎやー」
という明るいチームメイトたちの声に、
「次は決める!」と口にして、やっと表情が和らいだ。


乾貴士(C大阪)から引き継いだ背番号10を背負って2年目。
野洲の背番号10となれば、視線を集める宿命にある。

「坂本のいいところは、身体能力とオフの動き。ゴール前で慌てるところを見たことがない」
と山本監督が話していたことを思い出す。

「一輝だから絶対に決めてくれる」
チームメイトの信頼も絶大だった。

だからこそ坂本の役割は「点を取ること。それだけ!」なのだと本人は言う。
「自分が一番ヘタ。だから泥臭く動くことが持ち味」と、言葉を続けて。

多彩な攻撃を仕掛け、ゴール近くまでボールを運んでくれる仲間がいる。
自分の動きを見て、最高のラストパスが来ることを坂本も信じている。

それが野洲の攻撃を支えていた。

そしてこの日。
彼らしいプレーがピッチで躍動した。
滞空時間の長いヘディングも、美しいボレーも、DFを交わす動きも。
これまでのうっぷんを晴らすように、たたき出した得点は4。

「(4得点は)みんなのおかげ。今日はそれだけや」
真っ先に返ってきたその答えも、彼らしい。


「公式戦が続いていることで、気持ちの上げ方が難しい」(①横江諒/3年)
という状況の中で挑んでいるこの大会。
関東に来ているメンバーは登録人数のみ。
彼らの勝利を滋賀で待っている仲間がいる。

チームのために坂本ができること。しなければいけないこと。
それはやっぱり「点を取ること」。

「チームの勝利に貢献したい」(坂本)という思いを胸に、しっかりと確実に彼らしくゴール決めて、チームを高いところへと導く存在へ。
背番号10の復調は、野洲にとっての追い風となる。

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【野洲通信】は野洲高校サッカー部公認・協力の下、取材、記事作成をしています。

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