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2008年09月01日
福島ユナイテッドFC、福島初制覇! いざ天皇杯へ!
8月31日、いわきグリーンフィールドで行われた天皇杯福島県予選決勝で福島ユナイテッドFC(旧ペラーダ福島)がバンディッツいわきを4対1で下し、初の天皇杯出場を決めた。
「やっとか、という感じ。うれしいより一安心の気持ちが強いです」と32歳の若き横田篤代表は胸をなでおろした。
クラブ発足から4年という年月は試行錯誤の繰り返しだった。
「福島からJリーグクラブを!」ということで、「福島夢集団」を立ち上げたものの、目の前に立ちはだかったのはかつてJリーグを目指した福島FCの失敗による周囲からの冷たい視線であった。
福島県のサッカー熱は冷め切っていたのだ。
それでも横田代表は前だけを見つめ、地元クラブ・ペラーダ福島と手を組み、出発。
そして、大きな前進を見せたのは昨年だ。湘南ベルマーレや水戸ホーリーホックで活躍した時崎悠を監督兼選手として招聘。
福島県出身Jリーガーの帰還ということで、「周囲の目が変わった」(横田代表)のであった。
しかし、結果はなかなかついてこなかった。昨年は郡山市からJリーグを目指すビアンコーネ福島の後塵を拝し、東北1部リーグ昇格を逃すこととなってしまったのだ。
ただ、横田代表はそれを「いい経験になった」とポジティブに捉え、さらには「一歩一歩進んでいくだけ」とマイペースを強調。それが功を奏した。
無理な投資を行ったビアンコーネは経営破たんに陥り、再びアマチュアクラブへと戻ってしまったが、一方、福島夢球団は堅実だった。福島市にしっかり根を張り、無駄な投資よりもスクール活動を活性化。すでに200人を超える子供たちが在籍している。
そして、地域企業からも支援を受け、福島駅前の商業施設には福島ユナイテッドのブースも置かれるなど着々と地域密着度を深めている。
ただ、堅実だけでは勝てないのがサッカー。今年は強化費を増やし、元Jリーガーの桑原剛や首藤啓佑、金基洙らを呼び寄せ、チームを強化。彼らが期待通りの働きを見せ、現在、東北2部リーグを全勝で首位を走っている。
今年は順風満帆に駆け抜けているように見えたものの、内実は試行錯誤を繰り返していた。
特にこの1週間を「怒涛でしたね」と横田代表は疲れた表情で振り返った。
昨年までビアンコーネを率いていた斉藤誠監督を今年は招聘したものの、チームをまとめることができず、8月24日に行われた全国社会人リーグ東北予選での敗退を受けて、契約を解除。再び時崎悠が監督兼選手となることとなった。
また、8月28日には所属選手が相手に負傷を追わせる交通事故を起こしてしまったのだ。
「プロ契約ではない選手に対し、どこまで責任を背負うか迷った」と横田代表。しかし、HP内で公表し、その選手の謹慎と自らの減俸という処置で社会的責任を負うことに決めたのであった。
その考えの底にあったのは「地域の人への信頼」であった。
「警察からも公表しなくていいと言われましたし、Jリーグに相談しても『特に公表しなくてはいけないというものではない』と言われました。でも、我々はJリーグを目指すクラブとしての責任を全うしたいし、地域の子供たちに対して見本となる存在になりたいと思いました。なので、自ら公表することで責任を負おうと決めたのです」。
謹慎によりチームの主力選手を欠いたことや急な監督解任により、天皇杯決勝は苦戦を強いられることとなった。
前日に行われた準決勝がPK戦までもつれ込んだことで、選手たちは疲労困憊。前半は動きに冴えが見られないまま1対1で終わった。
だが、気持ちで勝った福島ユナイテッド。後半動きの止まったいわきバンディッツに対し、個人技術で勝る福島ユナイテッドが猛攻を仕掛け、3点をもぎ取り、見事優勝をおさめることとなったのだ。
「本当にうれしい! 福島県ならもっと簡単に優勝できると思ったけど、簡単にいかないのがサッカー。Jリーグのときも天皇杯ではどこも上のチームを研究して、さらに死に物狂いで戦ってきた。今回もそういった感じだったけど、それを勝ち抜けたということはチームの力が上がったということだと思う」と時崎悠は笑顔で語った。
試合後、初優勝に大はしゃぎの選手たち。そして、福島市からバスをチャーターしていわき市にまで乗り込んだサポーターたちと記念撮影をするなど日が暮れるまでドンチャン騒ぎは続いた。
「苦しいときに支えてくれているのはサポーター。彼らなしではここまでこれなかった」と時崎悠が感謝の言葉を口にしたように、まだ数は少ないが、彼らの情熱がサッカー不毛の地と呼ばれる福島に確かなものを根付かせるに違いない。
ただ、これで終わりではない。9月14日からはじまる天皇杯を勝ち抜くこと、そして東北1部リーグに所属することが今年最大の目標なのである。
「天皇杯出場は最低限の目標です。1回戦突破が現実的な目標。そして、3回戦でJリーグチームとやるのが本当の目標です。そして、リーグ戦も今は1位ですが、気を緩めずに全勝優勝して1部に昇格したい」と野心を燃やす横田代表。
福島ユナイテッドの本当の戦いはこれからはじまる。
※優勝カップを掲げる時崎悠と横田篤代表。2人の二人三脚でこれからも駆け抜ける
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