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2008年09月08日
【野洲通信】流れ
「追いつけると思ったやろ?」
後半25分を経過して、やっと手繰り寄せた“流れ”。
手応えを感じながら、野洲らしさを見せた20分間に、奪った得点は2。
スコアボードは0-3から2-3へ。
スタンドからは、熱を帯びた声が上がる。
「野洲、追いつくね」
だが、少し遅かった。

【野洲通信】では、野洲高校サッカー部にご協力いただき、チームの1年を伝えていきたいと思います。
監督とスタッフ、そして選手たちが見せる表情を追いながら、彼らの目線で、新たな高校サッカーの魅力、面白さに迫っていきます。
第11回目は高円宮杯全日本ユースグループ リーグ初戦、対磐田ユース(静岡)の模様をお伝えします。
高円宮杯全日本ユース グループリーグ@藤枝市総合公園サッカー場 晴れ
野洲高校 2‐3 ジュビロ磐田ユース
得点:藤野、潮入 ※得点者は野洲のみです
「ヒヤヒヤしたゲームでした。ただ、簡単に勝利をおさめるよりも経験になったと、今日のゲームをいい方向に捉えたい」
試合後、ジュビロ磐田ユース・吉田光範監督は、そう口にして安堵の表情を浮かべていた。
一方で、悔しそうな表情を見せた山本佳司監督。
「公式戦の初戦ということもあって消極的やったし、何より、前半が悪すぎた」
真っ青な青空が広がった藤枝市総合公園サッカー場。
野洲の選手たちに固さが見られたのは、ウォーミングアップを見ていてもあきらかだった。
いつになく静かなピッチで、たんたんとボールを追いかけているような雰囲気。
「公式戦の最初は、いつもこんな感じになってしまう」
無理に笑顔を作っても、明るく振舞っても、緊張感が緩むことはなかった。
その中で迎えた初戦の立ち上がり。
丁寧かつ確実にパスをつなぎ、じわじわと野洲陣内に入ってくる磐田と、簡単なパスもミスとなりボールがつながらない野洲。得意の仕掛けも足元で止められ、前半45分を通して野洲のリズムで試合が進められた時間は皆無だった。先制を許し、選手たちの顔が下を向く。
山本監督が「悪すぎた」という45分は、選手たちも同じ気持ち。
「エンジンがかかるのが遅すぎる」(③西口諒/3年)
ドリブルで仕掛けることもパスをつなぐことも、うまくいかない前半。後半も、それを引きずったまま2失点。特に、ゴール直前で一度は、はじき出したボールをクリアしきれずに得点となった2点目は「止めていただけに、あの2得点目がなかったら・・・・・・」とチーム全員が声をそろえたものだった。
0-3。勝負は決まったかと思われた後半25分。野洲の時間帯が訪れた。
足の止まった磐田に対し、いつもの野洲らしさをのぞかせながら、大きなチャンスを作り続ける。1点を返し、2点目を決める。
“あと1点”“いける”と確信を得たように、ゴールに迫り続けた。それでも、この日の野洲に、あと1点は遠かった。
「(見ていて)追いつけると思ったやろ?」
試合後に、選手たちがそう口にする。
流れを引き寄せてからの、あの20分間。ゴールへの勢いは加速し、ピッチに立つ11人が同じ思いで勝ち点を奪いにいった時間は、確かにあった。選手たち自身も感じたこの“流れ”を、90分の中でつかみつづけることができるのか。
「ゆったりとした磐田のペースにハマッてしまった。(ボールを)もたされてパスを出すしかなくなるような状態やったし、両サイドもうまく使えなかった。“早さ”はこのチームの特徴やから、こういう展開になったときこそ、自分たちのペースを作れるのかは課題」(山本監督)

戦うべき敵は、いつでも自分たちの中にある。
このチームが立ち上がってから、それはずっと変わらないもの。対戦相手が誰であったとしても、彼らが、彼ららしくピッチを走ることができたなら、いつでも結果はついてきた。
次戦まで1週間。
たった7日間で、チームは変わる。選手たちも強くなれる。
その可能性は、この試合で見せたラスト20分に凝縮された彼らの時間に秘められているはずだから。
【野洲通信】は野洲高校サッカー部公認・協力の下、取材、記事作成をしています。
こぼれ話と選手の素顔や試合の写真はこちらに掲載中です↓
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- by 青柳舞子
- at 2008年09月08日 23:43
- in 野洲通信
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