2月12日、東京・小平グランドで行われた練習試合「FC東京vs.湘南ベルマーレ」(45分×3本)を観戦した、
業界では質・量ともにJリーグ実況アナウンサー随一の取材力と言われる下田恒幸と、
FC東京観戦+取材歴約10年の後藤勝が、試合の感想を語りました。
○FC東京
ボールを持っている時は、攻撃の方向性は強く感じられました。
新監督就任間もないですが、やり方の理解度は早いと思います。
ただ、もちろんまだ未整理。
最終的にどこでどう点を取るの? というのが、
開幕までどの程度出てくるかがカギかなぁ、と。
試合後の選手のコメントにも共通していた通り、
どう奪うか? 以降に関しては、ほとんど手をつけていないはずです。
もしかしたら思った以上に時間はかかるかもしれません。
ただ、個々のスキルは水準以上の選手が揃っているので、
完成型に対する期待を強く感じました。
詳細は触れませんが、最大のキーマンはMF梶山陽平、
次に平山と近藤の両CF、というのが個人的な印象です。
(下田)
選手全員が動きを止めず、そのおかげでボールが次々とつながっていく。
そんな場面が1本目の序盤に多く観られました。
まずは攻撃、それもパスを回す点から着手しているので、
現段階ではチーム全体でイメージを共有できていることを評価すべきでしょう。
システムは4-3-2-1。1トップに入った平山がサイドに開いて起点となったり、
あるいは中盤に下がってサイドにはたいたり、
きちんと仕事をしているのが印象的でした。
「ひとりがひとつの仕事をするのではなく、
みんなでいろんな仕事をして、
チームでやっていこうという話をしています」と平山は言っていましたが、
組織全体で向上しようという意欲が伝わってくるのがうれしいところです。
アタッキングゾーンでシュートを決める、あるいはボールを取られたあとの対応など、
まだまだやることは多いですが、着実にベースはできてきました。
(後藤)
○湘南
菅野監督3年目、しっかり土台が根付いていることが伺えます。
仕上がりは間違いなく上々。
決して潤沢な戦力ではありませんが、
去年より間違いなく選手層は厚くなっていますし、
登録メンバー全員にイメージの共有感が見られたのは好印象。
これは、予想以上の武器となるかもしれません。
要所を固めるのがベテランであることを考えると、
3クール制になったこともプラス要素。
これまた詳細は触れませんが、個人的にキーマンと感じたのは、
MF田村雄三、FW阿部吉郎の2人。
第1クールでダッシュできれば……という期待感はあります。
(下田)
左から三田、斎藤、ジャーン、臼井と並んだ4バックが堅い!
そしてボールを奪われたあと、自陣に戻って4-4-2のブロックを形成するのが早く、
この組織がまた堅い。守備の堅牢さが印象に残りました。
日本語とポルトガル語を話し、リアルタイムに日本人とブラジル人を操作できる、
そんなジャーンが最後尾にキャプテンとしているのは、じつに大きな武器です。
ボールを奪ったあとはサイドに展開してフィニッシュへ。
去年からつづく菅野サッカーはますます完成度を高め、
様式美と言える域にまで近づいてきました。
2本目以降のメンバーに変わっても「ガッチリ感」に変化はなく、
いまのところはチーム全体に同じサッカーが浸透しているようで、
チーム作りが順調に進んでいる様がうかがえます。
FWの先発はリンコンと石原でしたが、
2本目に登場した元FC東京の阿部が左サイドをものすごい速さで
駆け抜けるのを観るにつけ、攻撃陣の充実も期待できますね。
(後藤)