【野洲通信】3週間(05/22 00:53)


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1勝4敗。勝点3、得点10、失点19。
プリンスリーグ関西(1部)・第5節終了時点で第6位。
それが、野洲が残した数字だった。

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【野洲通信】では、野洲高校サッカー部にご協力いただき、チームの1年を伝えていきたいと思います。
監督とスタッフ、そして選手たちが見せる表情を追いながら、彼らの目線で、新たな高校サッカーの魅力、面白さに迫っていきます。

第7回目は、プリンスリーグ第5節終了からインターハイ予選までの3週間。更なる挑戦をしている野洲の“今”をお伝えします。

野洲にとって大事な3週間が経過しようとしている。

5月3日、中断前のプリンスリーグ第5節G大阪ユース戦。1−6。野洲は完敗だった。
「ガンバはすごかったよ。特に“早さ”で全くかなわなかった。そういう意味では恥かしい試合だったと思う」
プリンスリーグが中断期間に入った5月11日。山本佳司監督は、ガンバ戦のことを振り返り、静かにそう口にした。

山本監督の話す“早さ”とは、単にスピードだけではなく、判断、攻守の切りかえ、サポート。さまざまな要素がそこに含まれる。そしてそれは野洲のこだわりとして、山本監督が選手たちにもっとも求めるものでもある。

得点差より、関西で、全国でユース年代のトップを走るガンバとの差を痛感した試合。“勝負どころ”で、かなわないと思うほどの高い壁にぶつかり、見えたのは、それを超えていくしかないという想い。
「ガンバとは、ベストな状態でもう一度、戦いたい。半年後には、どういう結果がでるのかは分からないから」

それから1週間。野洲は充電と次へのステップアップを始めていた。そして、11日。約1週間前にガンバと戦ったいつもの野洲グラウンドに迎えたのは、やはり全国で、東海地区でトップレベルにある名古屋U-18。プリンスリーグ東海では4勝1分けで3位につけている(第5節終了時点)。
「朴(才絃)監督は本当にいい指導者だと思うし、名古屋も組織的ですごくいいチーム。今、練習試合をできるのは力を試せるチャンスやね」(山本監督)

2月に対戦している両チーム。そのときに朴監督が話していたことを思い出す。
「野洲と(試合を)やるのは、選手たちも楽しみにしているから」

互いに力を認め合うからこそ、この対戦にかける思いは強くなる。

前日までの学校トレーニングでは、どこか精彩を欠いていた選手たちの顔つきが変わっていた。ユースチームに負けたくないという意地とプライドを見せた試合。
トップチームに数名よばれていた名古屋はベストメンバーではなかったが、ドリブルへの対応、スペースのケア、選手を自由にさせないように気を配りながら、じわじわと野洲陣内に入ってくる。球際も強く当たりの激しさに、簡単に抜かせてはもらえない。

それでも、野洲は攻める姿勢を貫いた。そして、彼らが見せたのは“ステップアップ”。この3週間でのもうひとつ上のレベルへと上がっていこうというチームの想いが見える形だった。

1−0とリードした前半28分。中央で潮入啓太(3年)がDFをひきつけながらドリブル突破し、右サイドに大きく開いていた藤野友貴(3年)に強めのパスを入れる。藤野はフェイントを入れてつめてきたDFを交わすと、迷わずにクロスを入れた。優しい曲線のその先に待っていたのは、坂本一輝(3年)。スローモーションのように滞空時間の長いヘディングシュートがゴールに吸い込まれた。誰もが迷いのない美しい流れの得点に、めずらしく笑顔が見える。

その後、後半に1点を返されるが、同37分にはこぼれ球を林晃佑(3年)が豪快なミドルシュートを決めて3−1。ベンチからも「すげー!」と声の上がったこの得点。技術やシュートの精度も素晴らしかったが、状況を的確に判断し、打てると感じた瞬間に足をふり抜いた、迷いのないゴールだった。

判断の早さは迷いのなさ。
2つのゴールに共通していたのは、まさにそれだった。

プリンスリーグでの敗戦で落としたものは、自分たちで拾うしかない。
野洲が失いかけた自信を取り戻すには、真っ向勝負で挑み、自分たちのスタイルを貫けたときにだけ、きっと手にできる。だからこそ山本監督は言い続ける。
「積極的なサッカーをすること、前向きにチャレンジする気持ちを忘れるな!」

そしてもう一つ。彼らがこの試合で見せたもの。

野洲にはドリブルがある。けれどドリブルだけじゃない。
それが、彼らの新たな強みになる。

次の公式戦(インターハイ県予選:トーナメント2回戦)は、25日。
プリンスリーグが中断期間に入り、野洲に与えられた時間は3週間。

「この3週間はパワーアップさせるとき。野洲のウィークポイントを信じてやらないとダメ」と山本監督。

ウィークポイントをどこにおいて、インターハイ県予選を戦うのか。
それは試合でしか分からない。

70分間、存分に野洲サッカーを魅せるために。

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